アラビア語の法則

 

 

 

動物の扱い

 

モロッコ

(1)特に夜、家にはいないはずの黒い色あるいは白い色の猫、犬、羊、鶏などの動物を家で見かけても、決して危害を加えません。ジンが化けている可能性があるからです。「慈悲深く慈愛あまねき神の御名において」と唱えて、神の加護を祈ります。蛙も同様です。

(2)蛙は昼でも危害を加えません。ジンの化身の可能性があるし、そうでなくても、蛙をいじめたり殺したりした子どもが夜、高熱を出したとか、死んでしまったという話を聞くからです。

(3)やもりには毒があると信じられており、ハディースにも「一撃でやもりを殺した者には施し物がある」と述べられているので、見かけたら殺します。やもりは塩が好きで、塩の容器に蓋をしないで放置しておくと、塩を食べます。残った塩にはやもりの毒がついています。もし塩の容器の蓋が開いたままになっていたら、やもりがなめた可能性があるので、塩を捨てます。

(4)蟻は殺しません。蟻の行列を足で踏んだり、蟻の穴に水を流したりしません。蟻は「神の兵士(jnūd ḷḷāh)」で、虫や蛇の死骸を食べてきれいにしてくれるからです。

(5)燕(kheṭṭīfa)はシュリーファ(shrīfa)(シュリーフの女性形。「高貴な」の意。モロッコでは、預言者ムハンマドの子孫に用いられる敬称)とされています。燕には危害を加えたり、燕の巣を落としたりはしません。そういうことをすると、その夜、熱が出たり、病気になったりすると言われます。