アラビア語の法則

 

 

 

迷信

 

モロッコ

特に女性の中には迷信(ṭīṛa)をとても気にする人がいます。「ファーティマはいつも迷信を気にする(faṭima dīma ka-ddīr ṭ-ṭīṛa)」

慣習的によくないとされていることは、その根拠が迷信やジン(妖霊)に帰されることもあれば、理由が不明なこともあります。「それは(慣習的に)よくない(hāda māshi mezyān / hāda māshi mlīḥ)」

(1)鋏や鍵を手でもて遊ぶのはよくない。

(2)食べかけのパンを残すのはよくない。残ったパンを食べた人が、パンを残した人の健康まで食べてしまい、健康が蝕まれる。

(3)排水口には熱湯を流さない。また、熱湯を床にこぼしたら、「慈悲深く慈愛あまねき神の御名において」と唱える。 これはジンが火傷して、ジンから報復されるのを恐れてのことである。

(4)訪問者が買い物帰りに立ち寄ったとき等、家に肉を持ち込み、そのまま持ち帰ることがある。こういうときは肉をほんの少し分けてもらい、それで敷居をふく。また夜、誰かが油を持ち込み、それを持ち帰る場合も、一滴もらってドアか敷居に塗る。そうしないと、家の誰かによくないこと(死、病気、事故、喧嘩等)が起こる。

(5)夜間は決して家から麦とサムンを持ち出さない。

*サムン(smen)とは、バターに塩を加えて加熱したもの。

(6)花嫁衣装あるいは嫁入り道具を預かったら、それを返す時に、家の人か花嫁側が生贄を捧げる。そうしないと、その家の人に騒動、喧嘩、離婚等が起こる。

(7)ガラスの器をこわした人に弁償させると、家の人によくないことが起こる。(この迷信は一部の人だけ)。

(8)家を購入したときは、若鶏を敷居の上で屠る。家の住人はそれを食べずに、隣人か困窮者にあげる。そうしないと、よくないことが起こる。

(9)浴室でヘンナを頭につけると失明する。

(10)朝、最初に会った人がよくない人だと、その日は「ついていない日(nhāṛ ẓoghbi ko‘bi / nhāṛ menḥūs)」となる。朝一番に黒い犬を見たり、ふくろうの鳴き声を聞くと、一日ついていない日となる。

*この迷信どおりにならないようにするには、「朝は神様のもの(ṣ-ṣbāḥ l-llāh)」あるいは「私達は神様に朝一番の挨拶をした(ṣebbeḥna ‘al ḷḷāh)」と唱えるとよい。