アラビア語の法則

 

 

 

ジェスチャー:首を振る

 

モロッコ

頭を縦に振る(うなずく)のは「はい(イーエ īyeh / エー ēh)」。

相槌を打つときは、頭を縦に振る動作を繰り返します。言葉で相槌を打つなら、「イーエ(īyeh)」「アーハー(āhā)」。

「かわいそうに(meskīn)」というときは、頭をゆっくり縦に振ります。

頭を横(左右)に振るのは、(1)否定「いいえ(la)」、(2)禁止「するな(ma ddīr-sh)」、(3)拒否「いやだ(ma bghīt-u-sh)。 

 頭を横に振りながら訝しげな表情をすると、「私は理解しませんでした(ma fhemt-sh)」。

 眉間にしわを寄せて頭を横に激しく振ると、激しい嫌悪を示します。「いやだ(ma bghīt-u-sh)」

 首をかしげるのは、日本同様、不確実を表わします。「かも知れない(imken)」。

 訪問先で同行者に「さあ、帰りましょう(ya ḷḷah nemshīw)」という合図を送るとき、頭を横(出口の方)に倒します。

 頭をぐいと上げて、方向を示すこともあります。

相手が言ったことに疑問を表明するとき、頭で円を描きます。「そうではないでしょう(ḥeyyāni / la la māshi huwa hadāk)」。たとえば「ぼくは勉強家だ」とか、「この料理は私が作ったのよ」と言った人に、そうではないことを知っている人がこのしぐさをします。

   

 

シリア

頭を縦に振る(うなずく)のは肯定「はい(na‘am)」。逆の動き、つまり顎を上げるのは否定「いいえ(la’)」で、これにはしばしば舌打ちが伴います。

頭を横(左右)にゆっくり振るのは、確信がもてない否定「そうではないと思う」。左右に大きく振ると、「わからない」「知らない」。頭を左右に激しく振るのは、相手の言うことが聞き取れなかったとき、理解できなかったときです。

「出て行け」と言う代わりに、無言で頭を横に動かすことがあります。このしぐさは侮蔑を示すので、使用には注意が必要です。