チッという舌打ちは、否定の返事「いいえ(ラ la’)」を示します。単なる否定で、日本のように苛立ちや侮蔑の感情は含まれません。
チッチッチッと舌打ちを繰り返すのは、他人の苦痛や災難に同情して心を痛めているときや、後悔しているときです。
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シリアの電車はバスより遥かに時間がかかるため、ダマスカス・アレッポ間の移動はいつもバスを利用していたのですが、一度位はと、アレッポから電車に乗ったときのお話。
ダマスカスに着いた電車は、駅の手前の何もないところで停車して動く気配がなく、乗客は訳もわからずに電車から地上に降りるはめになりました。
他の人達がおそるおそる慎重に降りるのを見て訝りながらも、大した高さではないと高を括っていた私は、思い切ってエイヤと飛び降りたのです。
しかし、レールは敷石で盛り上がったところにあり、想像以上の高さがありました。
着地に失敗し、石で手を傷めた私が痛みを必死にこらえていると、見ていた女性達が舌打ちするのが聞こえてきました。舌打ちが同情の表明であることを知らなかった私は、それによって心も深く傷ついたのでした。 |