アラビア語の法則

  

 

 

ほめるとき

 

モロッコ

人をほめるときは、邪視除けのために「神様の祝福がありますように(tbāṛek ḷḷāh)」という句を必ず唱えます。ほめ言葉が省略されて、この邪視除けの句だけのこともあります。

これを言わないと、妬み(ḥsed)があり、邪視(‘ayn)を意図していると受け取られかねません。

女性の中には邪視をとても恐れている人がいます。そういう人は、邪視除けの言葉だけでは安心できないのか、相手に見えないようにテーブルの下や身体の後ろでこっそり、手のひらを前方に向けて邪視をはね返そうとします。

Filename: HM00447_.wmf
File Size: 36 KB

モロッコだけでなく、アルジェリアやチュニジアでも、手の形のアクセサリーやドアノッカーをよく見ます。これは邪視除けのお守り(護符)です。「ファーティマの手」として有名ですが、アラビア語モロッコ方言では「5(khemsa あるいは縮小形で khmīsa)」と呼ばれています。

 

 

シリア

よそのお宅の子どもや物をほめるときは、その子ないし物が邪視を受けないように、「神様が望まれたことshā’a lla)」とか、「神様、預言者に祝福をお授けください(’allāhumma ṣalli ‘a n-nabi)」、「神の御名(эsma lla)」といった句を唱えるのがよいとされます。