腹が立ったときは、怒りを静めるために「神様、呪われた悪魔から私をお護り下さい(’a‘ūdh
be-llāh men sh-shīṭān
r-rezīm)」と言います。悪魔が人を怒らせたり、不和の種を蒔こうとするからです。
喧嘩したくないときは、上記のように言い、その場から立ち去ります。
殴り合いの喧嘩をするなら「神の御名において(be-sme
llāh)」。しかし、モロッコでは殴り合いにまでなることはほとんどありません。右手の拳を引いて殴りかかろうとするポーズをとり、相手を睨みつけていると、周囲の人が止めに入ってくれるのです。
仲裁する人は「悪魔を呪いなさい(ne‘lu
sh-shīṭān)」と言います。その返事は「神様が彼を呪い、地獄に落としますように(ḷḷāh
in‘el-u w-ikhrī-h)」。和解のことばは、一方が「神様がお許し下さいますように(ḷḷāh
isāmeḥ)」と言い、他方が「許します(msāmḥīn)」と答えます。
ちなみに、顔を殴るのはアイブ(恥ずべきこと)。学校でのお仕置きは、体罰が禁止されているので、棒かものさしで両手の掌か足の裏を叩くぐらいだそうです。 |