アラビア語の法則

 

 

 

砂糖

 

モロッコ

モロッコで最もよく使われる砂糖(sokkaṛ)は「グラニュー糖(sanīda)」です。「角砂糖(morso)」や製菓用の「粉砂糖(glase)」もありますが、日本で一般的な「上白糖」はありません。

青い紙に包まれた、砲弾の形をした砂糖、「棒砂糖(qāleb de s-sokkaṛ)」は、結納や結婚祝、出産祝(御七夜)、割礼祝、新築祝といった祝儀の他、葬儀等の不祝儀の際にも、贈り物として用いられます。

しかし、現在の棒砂糖の値段は1個13ディルハム(150円程)。特に都市部では、素敵なプレゼントがいろいろ買えることもあり、棒砂糖はあまり使われなくなってきています。

ミントティーにはグラニュー糖が使われることが多いのですが、ゆっくり溶ける棒砂糖のほうが美味しいといいます。棒砂糖は金槌で砕いて使います。

棒砂糖を使う民間療法を紹介しましょう。風邪(ṛwāḥ / teṛwīḥa)をひいたときは、棒砂糖の小片と青い包み紙少量をいぶして、その煙を身体に当てます。

 

☆ ☆ ☆

 

棒砂糖は1580年代に描かれた砂糖工場の絵にも登場します。

Stradanus, Nova Reperta (ストラダヌス『新発見』)

http://www.lehigh.edu/~ejg1/ed/novasug.htm

 

 

イラン

イランでは、紅茶を飲むとき、一口大に砕いた棒砂糖(ガンド)を紅茶に少し浸してから口に含み、口の中で溶かしながら紅茶を飲むのだそうです。

 

大東文化大学の中堂幸政先生にご提供いただいたガンドの写真

ウルミエ

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