アラビア語の法則

 

 

 

握手・キス

 

モロッコ

握手は右手でします。左手で握手することはありません。作業中で右手が汚れているときは、右手首を差し出します。相手は手首を握るか、指先で手首に軽く触れてから口に当てます。右手首も汚れている場合は、左手首を差し出しますが、次のように言って謝ります。「すみません。左(手)で挨拶して(smeḥ l-i. ṛā-ni sellemt ‘lē-k be-sh-shmāl)」

 握手をするときは、顔を正面に向け、相手の目を見ます。そうしないと、握手を嫌がっていると思われてしまいます。握手の後、右手を胸に当てる人や、右手の指先を口につける人もいます。

挨拶のキス(口でチュッと音を立てながら頬と頬をつける)は、右頬1回、左頬1回が基本で、親しい人や久し振りに会った人には何度もします。右左右左、あるいは右左左左等、好きなように。

握手かキスか。男性同士では、親しい友人・親戚はキス、それ以外の人とは握手。女性同士はたいていキス。異性間でキスをするのは原則として親族だけです(おじ・おばは可、いとこは不可)。10歳位までの子ども(男・女)にはキスをします。

訪問したお宅にご高齢者がいたら、尊敬を込めて軽く握手した後、右手の指先を自分の口につけるか、親にするのと同様に相手の右手の甲にキスします。

複数の人と握手やキスを伴う挨拶をする場合は、向かって右側の人から左へ順にしていきます(右優先の原則)。

お辞儀はしません。イスラーム教徒にとって、お辞儀は神様に対してするものだからです。しかし、日本人がお辞儀をすることについては、テレビを通じてそれが日本の習慣であることを知っているので、問題ありません。