日本の七味唐辛子、中国の五香粉のような定番のミックス・スパイスが、シリアにもあります。
ミックス・スパイス(bhārāt
mshakkle)には何が入っているのか、ダマスカスやアレッポの薬種商で聞いたら、大体どこでも次のとおりでした。
オールスパイス(bhār)、カルダモン(hēl)、クローブ(qronfэl)、コウリョウキョウ(khōlanjān)、コショウ(fэlfol)、シナモン(qэrfe)、ジンジャー(zanjabīl
/ janzabīl)、ナツメグ(jōzt
эṭ-ṭīb)。
割合は店によって違うかも知れません。以下はアレッポの薬種商のものです。
オールスパイス100グラム、コショウ・クローブ・シナモン・ナツメグ各25グラム、コウリョウキョウ・ジンジャー・カルダモン各少々。
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ついでなので、ご飯のお供ふりかけのシリア版「ザアタル(原義はタイム:za‘tar)」についても紹介しておきましょう。シリアでは、ご飯ではなくパンのお供です。普通はパンにオリーブオイル(zēt)をつけた後、ザアタルをつけて食べます。パン生地の上にオリーブオイルとザアタルをかけて焼いたピザもあります。
ザアタルの材料:タイム(za‘tar)、スーマック(sэmmāq)、ウイキョウ(shэmra)、アニス(yānsūn)、コリアンダー(kэzbara)、ゴマ(sэmsom)。
*スーマックは色も味も「(赤紫蘇の)ゆかり」に似ています。
ものすごーく美味しいというわけでもないのに、えんえんと食べ続けたくなる、恐ろしい食べ物です。
食の都アレッポ製のザアタルが、やはり一番かな。 |