アラビア語の法則

 

 

 

ミックス・スパイス

 

シリア

日本の七味唐辛子、中国の五香粉のような定番のミックス・スパイスが、シリアにもあります。

ミックス・スパイス(bhārāt mshakkle)には何が入っているのか、ダマスカスやアレッポの薬種商で聞いたら、大体どこでも次のとおりでした。

オールスパイスbhār、カルダモンhēl、クローブqronfэl、コウリョウキョウkhōlanjān、コショウfэlfol、シナモンqэrfe、ジンジャーzanjabīl / janzabīl、ナツメグjōzt эṭ-ṭīb

割合は店によって違うかも知れません。以下はアレッポの薬種商のものです。

オールスパイス100グラム、コショウ・クローブ・シナモン・ナツメグ各25グラム、コウリョウキョウ・ジンジャー・カルダモン各少々。

 

☆ ☆ ☆

 

ついでなので、ご飯のお供ふりかけのシリア版「ザアタル(原義はタイム:za‘tar)」についても紹介しておきましょう。シリアでは、ご飯ではなくパンのお供です。普通はパンにオリーブオイル(zēt)をつけた後、ザアタルをつけて食べます。パン生地の上にオリーブオイルとザアタルをかけて焼いたピザもあります。

ザアタルの材料:タイムza‘tar、スーマック(sэmmāq)、ウイキョウ(shэmra)、アニスyānsūn、コリアンダーkэzbara)、ゴマsэmsom

  *スーマックは色も味も「(赤紫蘇の)ゆかり」に似ています。

ものすごーく美味しいというわけでもないのに、えんえんと食べ続けたくなる、恐ろしい食べ物です。

 食の都アレッポ製のザアタルが、やはり一番かな。